めっき紹介PLATING
ニムテックとは?
ニムテックとは、無電解ニッケル-リン-テフロンめっきのことで、めっき皮膜中に0.2μm粒子の PTFE (ポリテトラフルオロエチレン=テフロン)を20~26vol%共析させた複合めっき皮膜です。
ニムテックが有する主な機能性の一つとして、低摩擦係数特性があり、他の同様な機能を付与する表面処理法のように、テフロンを含浸・コーティングさせたものではありません。このため、仮に摩耗してもめっき皮膜が消失するまで皮膜性能は維持できます。
ニムテックの特徴
- 低粘着性・離型性・撥水性・滑り特性が優れています。
- 静・動摩擦係数が低い為、摺り合せ部位に用いられる部品等への応用が期待できます。
- 析出状態での皮膜硬度は Hv270、熱処理(300℃・1時間)を施すことによりHv450へと硬化します。
- 無電解ニッケルと同様の耐食性を有します。
- 析出状態では非磁性を示し、熱処理を施すことにより磁性を示します。
- 導電性を有します。
- ニムテックからのコンタミ発生量が少なく、静電気発生防止が出来ます。
- 膜厚精度は処理品の形状によりますが要求膜厚の±1umが可能です。
- 当社のニムテックは鉛フリー・PFOS/PFOAフリーに対応しています。
ニムテックの皮膜構成
ニムテック/素材界面の断層SEM写真
SEM写真のモデル図
参考データ(テフロン共析量20~26vol%)
摩擦特性
材料 | 静摩擦係数 | 動摩擦係数 |
---|---|---|
ニムテック | 0.117 | 0.063 |
無電解ニッケル | 0.190 | 0.144 |
クロム | 0.198 | 0.130 |
鉄 | 0.507 | 0.427 |
アルミニウム | 0.171 | 0.106 |
テフロン | 0.217 | 0.039 |
表面粗さ-I Ra値
熱処理温度と硬度の関係
ニムテックの規格認証等の実績
- 食品衛生法
食品衛生法・食品、添加物等規格基準(昭和34年厚生省告示第370号)
個別に規格された以外の合成樹脂製の器具又は容器包装(昭和57年厚生省告示第20号) - パーティクル試験
東芝機械:半導体装置部品コンタミ付着量評価
評価結果:コンタミ付着量ほぼなしの好評価で合格
採用実績
- 半導体機器
実装機コネクターチップカセット・シリコン基盤搬送装置等 - 医療機器
血液検査機器・義足 - 金型
樹脂成型用・リードフレーム打ち抜き用等 - 精密機器
ラボ機フィルム部品・精密機器習動部品等 - 自動車部品
ブレーキ摺動部品 - その他
搬送トレイ・モーターギヤ・シックナー等